「ぽつねん」。音楽家の井手健介さんが、愛聴しているレコードや日常生活のなかで起こった出来事について綴る連載がスタート。初回はアンソニー・ムーア『OUT』とザ・チックス『SOUND OF THE CHICKS』という2枚のアルバム、そしてJASRAC(日本音楽著作権協会)に問い合わせの電話をかけた際の珍妙な応答などについて記されています。
SUNDAZEDから出たニュージランドの姉妹ガレージデュオ、ザ・チックスの1965年作『SOUND OF THE CHICKS』アナログ再発。真っ白い盤がクールやわ、って針を落とすとこれがオープニングから全曲キラーチューンで、「Hucklebuck」が始まるころにはもうご機嫌でひとり猫踊り。最高の気分である。改めて、自分はこういうガールズ・ソフト・サイケ・ガレージとでもいうか、女性が気怠く、時にやや不穏なコーラスを重ねながら演奏するサイケ、ガレージ、アシッド・フォークが好きだ。ウェンディ&ボニーとか、フェミニン・コンプレックス、デイジー・チェイン、ゑでぃまぁこんとか。最近では京都で知ったアシッド・フォーク・デュオ、少女永遠なんかも最高だった。ぽつねん。
音楽家。東京・吉祥寺バウスシアターの館員として爆音映画祭等の運営に関わる傍ら、2012年より「井手健介と母船」のライヴ活動を開始。2015年にファーストアルバム『井手健介と母船』(Pヴァイン)を発表。2017年には12インチEP『おてもやん・イサーン』(EMレコード)をリリース。その後も映像作品の監督、楽曲提供、執筆など多岐に渡る活動を続ける中、2020年4月に「Exne Kedy And The Poltergeists」という架空の人物をコンセプトとしたセカンドアルバム『Contact From Exne Kedy And The Poltergeists(エクスネ・ケディと騒がしい幽霊からのコンタクト)』(Pヴァイン)を発表。同年12月、同アルバムからのセルフリミックス12インチ盤『エクスネ・ケディの並行世界』(同)をリリース。