妄想映画日記 その143

約半年ぶりとなる樋口泰人の2022年10月1日~15日の日記です。全く調子は良くならないものの『やまぶき』『はだかのゆめ』『N・P』の公開準備と同時に、爆音映画祭で札幌と高崎にも滞在した日々の記録です。
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文・写真=樋口泰人

10月1日(土)
7月8月に比べるとだいぶ体調は回復してきたのだが、まったく気力はない。元々意欲はないし何もしたいことはないのだが、それなのに働き過ぎたという反省をする間も無くいろんな要求要望が押し寄せて一体私が何歳だと思ってるんだと怒りの塊のようにはなっていて夜になると目も見えなくなりねむすぎて息も絶え絶え。日記の再開は社会復帰のためのリハビリのようなものだが、今回は社会復帰しないためのリハビリと言ったほうがいいかもしれない。
土曜日だと思うとさらに何もする気がなくなるのだが、本日は約束もあり、渋谷に行ってチャールズ・バーネットの『トゥー・スリープ・ウィズ・アンガー』を観る。映画館で普通に映画を見るのは一体いつ以来か。冒頭しばらくは何かが足りない、ショットとショットの間がありすぎる一体この間合いは何なのかと思いながら観ていたのだが、印象的なブルースが画面のそこかしこから聴こえてきてそれに耳を傾けるうちに、そのショットの隙間にあるはずもないショットが差し込まれてくる。血まみれの腕や肉の塊や実際にはありえないショットのかずかずが、自分の視覚に勝手に現れるのである。黒人音楽の闇が注入されると言ったらいいか。もちろんすべてこちらの幻視に過ぎないのだが、アメリカの黒人たちの歴史の黒い澱みが頭の中にひたすら沈澱して視界を黒く輝かせる。初めて「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」を聴いた時の気分を思い出す。ますます社会復帰は遠くなる。
その後、とはいえ少しは元気にならねばと、新大久保で参鶏湯を食った。
 
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10月2日(日)
普通には社会復帰してなるものかと変な気合が入り明け方まで眠れなかった。気がつくと昼12時を回っていて、休日の予定も台無しになり、しかし寝たからといって気分がスッキリするわけでもなくさらに眠く、昼寝もしてしまう。ぼんやりとしたまま、夜はビアリストックスのワンマンライヴを観に大手町へ。
音楽の成り立ちが全然違う。セロニアス・モンクやフランク・ザッパやハンク・ウィリアムズやフランク・シナトラや、とにかく音楽の先達たちが切り拓き耕した土地で生まれた果実たちの歌がバンド内で響き合い、いつどこでどうなるかどんな道筋を辿るか未来を見せるか予断を許さない。その緊張感の中を甫木元の歌声が自由というわけではなく何かに引き寄せられるように誰も予想もしなかった方向へと舵をとっていく。果たしてこれが一般に受け入れられるのかどうかとハラハラするが、しかし本日のチケットは即完だったというし、もちろん世間の動きとまったくずれてしまっているのはこちらの方である。最後、ステージ背後の暗幕が開き大手町の夜景が全開になる演出。ああこれは、ロビン・ヒッチコックのライヴ作品の中で、ジョナサン・デミがやってたやつだとニヤリとしたが、でもこの会場とこの風景なら誰だってこれはやりたくなるよね。終了後、みんなステージの向こうに見える夜景の写真を撮っていたが、ぼんやりしていて撮り忘れた。

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10月3日(月)
起きた時は久々に身体が軽く午前中から各所連絡していたのだが、まあ長くは続かない。午後はぐったり。いつも通りと言えばいつも通りで、しかしもしかするとこれが今の最大限の回復状況かもと思うと先行きは暗く次第に鬱々となる。
事務所での井手くんとの打ち合わせもすっかり忘れていて大遅刻。24日のライヴでの物販のことなど。
その後、今日は少しのんびりとユニオンでレコード見てから帰宅しようと思っていたのだが、月曜日恒例の細かい事務作業がまったく終わらず結局我が家の夕食の時間にも遅れる。それでも何かを忘れ、何かをやり残した感が満載で、まったく気持ちは晴れない。こんな日もある。牧野くんの日記(https://note.com/tacuuuma/n/nb0ebd62ccac4)を読んでなんとなく気分が落ち着く。
 


10月4日(火)
昼からの予定をふたつキャンセル。どうにも身体が動かない。やらねばならない仕事に身体が耐えきれない感触がさらに身体を重くするその重い身体でひとつひとつやるべきことをやっていく。夜はうなぎを食った。東京のふわふわうなぎも悪くないというか美味かった。
その勢いで上映後のシネクイントにて『はだかのゆめ』の音響チェックを。音響の菊池さん、監督の甫木元と一緒に。甫木元はパルコの方のホワイトシネクイントと完全に勘違いしていたようだが、ロードショー期間中もおそらくそういう人は出てくるだろう。告知もこういうところも含めて細かくやらねばならない。
音の方は無事、菊池さんのOKも出た。クリアな音質で、登場人物たちの息遣いもはっきりと感じられる。この映画の場合幽霊の息遣いと言うことになるのか。当たり前のことだが、表面上のストーリーを裏側から刺激して映画を変えていくような音が映画にはあらかじめ込められているのだ。帰り際、菊池さんに「あと3年は生き延びてください」と励まされる。ちなみに菊池さんはわたしよりひと回り年上である。
 
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10月5日(水)
うまく眠れずうまく起き上がれもせず、死んだように起きる。午後から東京国際映画祭での『はだかのゆめ』上映会場の、舞台あいさつのための導線確認作業があったのだが間に合わず、宣伝担当者たちにお任せして『やまぶき』の主演、祷キララさんのインタビューへ。結城秀勇がインタビューをやってくれるので、わたしはその立ち会い。事務所の場所が麻布十番という慣れない場所にあるだけで緊張する。映画の撮影から4年半が経っている。この日のキララさんの言葉は、その4年半をキララさんなりのやり方で「やまぶき」として生きてきた、そんな言葉だった。その清々しさに背筋が伸びた。
その後渋谷に回り、助成金その他の打ち合わせ。待ち合わせ場所の渋谷東急プラザが昔とまったく違っていて自分がどこにいるのかわからなくなった。新しくなったその場所には何度も来ているのに、改めて東急プラザと言われると目の前には昔の東急プラザがはっきりと立ち現れるのである。渋谷は昔からいつもそんなその前の時代の風景が今の風景に重なり合って目の前に現れてわけわからなくなる。イメフォで上映があったアルノー・デプレシャンの映画の公開初日だったか、青山とのトークに遅刻した言い訳もそんな渋谷の時代が重なり合った風景とアルノー・デプレシャンの映画と結び付けながら話した記憶がある。


 
10月6日(木)
夕方から札幌に行くのだが、その前にやらねばならないことが山ほどあって昨夜はほとんど寝られず、午後からの打ち合わせも30分遅らせてもらった挙句にさらに遅刻という状況で、それでも少しずついろんなことが次につながっていくから不思議である。忙しい中でのゆったりとした時間の流れに励まされる。
札幌は覚悟していたほどは寒くなかったが寒くないと言うと強がりでしかない、という寒さ。それでもまだコートが必要というわけではない。毎回ホテルの場所を間違えて予約して爆音会場からだいぶ離れたすすきののさらに先の場所になり、繁華街の周辺だからどうしてもよどんだ空気がそこらじゅうを覆っていてホテルに着くころには大体気分がどんよりしてしまうのだが、今回は間違えなかった。札幌で爆音やり始めてもう10年近くなるのにようやくである。駅前のホテル。こんなに違うかというくらいニュートラルな気配で、あきれる。これはこれで騙されたような気分でもある。ジンギスカンとホルモンと北寄貝を焼いて食った。
 
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10月7日(金)
朝から『アメリカン・ユートピア』と『スクール・オブ・ロック』の調整をやった。このところ起きるのが10時くらいだったので身体が全然目覚めず、会場までの道がわからなくなりすぐそばに来ているのにぐるぐると回った。すぐにグーグルマップを見ればいいものをすぐそばだからということで自分の勘だけで歩くのは本当にいつもこうなるのでやめないとと思うもののいつまでやってもやめられず迷う。遅刻して心配をかけた。

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『アメリカン・ユートピア』はYCAMの上映が強烈だったのでその印象がまだ残っていて、「ここはそうではない」ということを身体が理解するまで時間がかかった。この場所の音にじわじわと近づいていく調整。苦労したが中音域が広がるいい音になった。
『スクール・オブ・ロック』はバウスの時代に苦労した思い出が残っていたもののそのころはフィルム。デジタルでは音も太く豪快でもう何もかも忘れてこの音と一緒に生きる、そんな気持ちにさせてくれる音になった。最後はやはり大感動涙と笑い。ツイッターにも書いたが来年、この権利をちゃんと買い付けて爆音ロードショーしたいと久々に前向きな気持ちを沸きあがらせてもらった。
昼は札幌に来たらここという小料理屋「こふじ」でにしんの開きで満腹になり、いったんホテルに戻って各所連絡後に昼寝。夜は『アメリカン・ユートピア』本番で、チケットは発売すぐに完売というすごい売れ行きの満席の客席を前に挨拶するのはそれだけでなんだか気分がいい。そして鮨を食い、上映終了後は明日の上映の『暗くなるまでには』のチェックをした。こちらは爆音上映ではないので最後のクラブのシーンで驚く人続出ではまずいということで爆音セッティングよりだいぶ音量を落とし、それでも十分な音量感の設定にした。明日は少し寝坊ができる。

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10月8日(土)
寝坊ができると思っていたら夜はぜんぜん眠れず、寝たのが5時くらいで11時前に目覚め。すっきりはしない。ボーっとしたまま昼飯を食ったら余計に具合悪くなる。昼のうちにいろいろやろうと思っていたことはひとつもできず、『暗くなるまでには』を観る。今回は爆音ではないのだが、音の映画でもあるので通常よりもそこそこ大きめ、爆音と通常上映の中間くらいの音で調整した。どんな映画でもそうなのだが、観るたびに別の印象が加わり別の発見をする。『スクール・オブ・ロック』にも通じる、映画や音楽に対する初期衝動も感じた。ゴダール初期の映画のようなむき出しの映画の運動やそれを残酷に切り刻む大いなる力への視線も感じた。時間を隔てて重なり合うショットの連なりやカメラマンのいないカメラの動きなど、この映画の可能性にまたもや胸が高鳴った。またどこかで上映したい。しかし本当に、無人のカメラがとらえた映像が動き始める瞬間は最高にやばかった。


 
10月9日(日)
再び眠れずしかしチェックアウトもあるので9時過ぎに無理やり起きる。身体はぼーっとしたままだが外はいい天気で1年じゅうこれでお願いしますと言いたいところだがかなわぬ望み。コーヒー飲んで目を覚まそうとコーヒーのいい香りにつられて入った店はバリスタがコーヒーの説明もしてくれる高級店だった。ただだらだらとコーヒー飲みたいだけだったのだがそんなことも言えず、にこやかに話しかけてくるバリスタの若者に「そうですねえ」とかこちらの気持ちを悟られまいと頑張ってしまった。
昼飯は今回の札幌で食い損ねていたスープカレーをと思って近場のうまそうな店にむかったのだが当たり前のように反対方向へと歩いていた。多分、テレビ塔が何か悪いものを発しているのだと思う。やはりテレビ塔のそばにある札幌の爆音会場にも簡単には辿り着けない。90度、180度、270度とクルクルと方角が回る。東西南北という区別もわからなくなる。何が起こっているのだろうか。そしてようやく辿り着いたスープカレーの店の前には信じられないくらいの長蛇の列。3連休の中日のランチの時間をなめていた。仕方ないのでいつもの焼き魚屋へ向かうとそこも10人ほどの列ができていた。
『スクール・オブ・ロック』にはなんとか間に合った。ラモーンズが流れるシーンが本日のクライマックスだった。思わず泣いた。今回は爆音は2本。なんとなく寂しいが2本とも早くに完売ということで、嬉しい3日間だった。来年はもう少し何本かやりたいと来年に気持ちを向けていたら、スタッフから「また来月」と声をかけられた。11月1日からは新千歳で爆音準備が始まるのだった。
新千歳空港も混み合っていて、いつも帰りに食う立ち食い寿司屋も長蛇の列。こんな時のためにもうひとつ別の秘密の(大げさ)寿司屋で夕食をとった。会心の寿司ではないのだが、いい意味でまったりとしたくせになる寿司。また食べたい。というか、今後はもっと空港が混み合い始めるだろうから、ここで食うしかなくなるだろう。
 
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10月10日(月)
札幌では食欲と体調とのバランスが崩れかなり際どい思いをした。当然、帰宅後はその影響がでるわけで、終日ぐったり。絶対何もしない予定だったが、夜はズームでの打ち合わせもあり結局仕事になり簡単には休めない。でもこれもあと2ヶ月、その後は何もしないことを励みになんとか1日をやり過ごす。何もしなくなった後のboidの運営を考えていたら夜が明けた。


 
10月11日(火)
夜明けの就寝だったが気温の上昇とともに目が覚め、10時過ぎには起き上がる。思ったほどは調子悪くないがふわふわと身体が浮いている。しかし連休明けと映画祭出張明けが重なって細かい連絡事項が多数。あっという間に夕方で参る。しかも5月にはすべて終了した作業の助成金の報告のチェックが遅れに遅れていて、何度提出しても、ここがわからないここをこうしてくれとその度に色々注文が来る。最初から全部言ってくれと我慢は限界で、それに加えて今度はさらに元戻りして、これを出しておけば全部OKというのを今更言ってくるものだから最初からそうはっきりと書いておいてくれと、ブチ切れる。もう助成金もらわなくてもいいやという覚悟で、一体どうなってるんだ最初からこれだけを言ってくれればそうしたのにあれやこれや何度もやらせた挙句これかよ、と怒りの言葉を電話口にて発するわけだが、とはいえ申請はネット上だから言われた通りに資料を出すだけである。あとは知らない。
夜は『はだかのゆめ』の試写。渋谷駅からショウゲート試写室(かつてのユーロスペースの下)に行くだけなのに、渋谷駅の中を2周くらいした。工事で出口がよく分からなくなっていることはわかっていたので、わかりやすいハチ公口から出ようとは思ったもののいや少しはこの工事中の渋谷の今をうまくすり抜けながら当たり前のように目的地に辿り着かねばという妙な欲望に逆らえずおそらくこの出口から出るとうまいこと新装となった東急プラザ方面にすんなりと出て、桜ヶ丘方面に行く歩道橋を渡れるだろうと思ったのが間違いで目の前にはヒカリエが見えるので軌道修正すると六本木通りが現れ、さらに軌道修正するとここは恵比寿に向かう道ではないか。愕然としつつさらに軌道修正しても迷うばかりで仕方ないのでおそらくここだろうというところで地上に降りたら宮益坂方面だった。まあ、そこからはぐるっと地上を回ったわけなのだが、一体わたしは何をやりたかったのだろうか。
夜は札幌土産の筋子をご飯の上に載せてみた。


 
10月12日(水)
夜明けに寝ると1日が終わるのが早い。とはいえ、目一杯各所に連絡、事務作業しても全く終わらず。本当はブルノ・デュモンの『フランス』観に行く予定でカレンダーにも入れておいたのだが、擦りもしない。腹立たしいくらい忙しい。さまざまなイヴェントや上映についてのSNS上の感想とか読むたびに唾を吐きたくなる。おかしすぎる。これは犯罪や自殺が増えるよな。
 
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10月13日(木)
高崎へ。井手くんは24日のライヴの練習などあってダメなので今年はわたし単独にて。新幹線はいよいよコロナ前の感じに戻り始め、それなりの混雑、予約しておいてよかった。
『アメリカン・ユートピア』『サッド・ヴァケイション』『犬王』『ロッキーVSドラゴ: ROCKY IV』『回路』『乃木坂46「Actually...」』。
高崎爆音は回を重ねるごとに音響のベースになる機材設定が安定洗練されてきて、どれもほんの少しずつの修正で音が生き生きとしてくる。音から新たな生命をもらった気分になる。とはいえ『回路』と乃木坂を続けて観るともはや世界は完全に終わり、という気分になるのだった。
だいぶ遅くまでの作業になり、恒例の中華「来来」へと向かうが満席で入れず、うどん。昨年のホテルでは夜中にいろんなものが出てきたが、今年は気配もなかった。ホテルの工事が終わり、向こうの世界も少し落ち着いたのかもしれない。
 
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10月14日(金)
朝から『クレッシェンド 音楽の架け橋』『ザ・ローリング・ストーンズ チャーリー・イズ・マイ・ダーリン』『ザ・ローリング・ストーンズ ロックン・ロール・サーカス』『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』。
ストーンズは中学の頃から、おそらく『チャーリー・イズ・マイ・ダーリン』と同じ66年のライヴ盤『ゴット・ライヴ・イフ・ユー・ウォント・イット』を愛聴し続けてきたので、もう「アイム・オールライト」のイントロが流れ出すとまるでロンドンの会場の観客になったかのように足腰が動き出す。まあそりゃあ、暴れるよな。
昼は昨年ようやく食すことができた昭和の空気満載の焼肉屋「慶州苑」が移転して新しくなったというのでみんなで駆けつける。昔ながらの漬け込み系で、そのタレの味とともに食すこの感じはなんとも言えない。それにこの量でこの値段。近くにあったら週に1度はランチに行くだろう。
『クレッシェンド』は意外な面白さ、後日本番の上映後に興奮冷めやらぬ来場者が泣きながら話しかけてきてくれたのだが、その気持ちはわからぬでもない。
『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』の音楽に対するシンプルな衝動は何度観ても心が洗われる。初爆音なのでどんな音になるかは心配だったのだが心配無用。今後機会ある度に上映することを決意。一方でこの映画がほとんど話題にならない世界に自分が住んでいることも実感する。
夜の本番は『アメリカン・ユートピア』から。上映後の拍手とみなさんの笑顔が疲れを癒してくれる。そして本日は「来来」。汁ビーフン。
 
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10月15日(土)
朝からの本番は順調に。『クレッシェンド』は知名度もないこともあり今回は最も前売りが売れてない1本だったのだが、観終わった後の来場者の方たちの反応はすこぶる良くて喜んでいるところに中原から連絡。明石さんが亡くなった。友人の死の知らせはいつもそうなのだが本当に不意打ちである。ベルリン在住だから詳細もわからない。日本に住む奥さんに連絡するもつながらず。ベルリンに行っている模様。boidマガジンでの明石さんのCANの原稿の掲載はいつだったか。あれが最後である。その際、ゆっくりとCANの本を作りましょうという話をしていたのだが。一体どうなっているんだ今年は。
その動揺を抱えたまま夜は渋谷へ。高崎から湘南新宿ラインが出ているということを初めて知る。それに乗れば渋谷まで乗り換えなし。グリーン車料金も800円とのことでゆったりと仕事をしながら行ける。
イメフォでは『N・P』の初日。ようやくここまで漕ぎ着けた。なんと20年ぶりくらいで山猫印刷所の三井さんと遭遇した。元気でよかった。

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樋口泰人

映画批評家、boid主宰、爆音映画祭プロデューサー。98年に「boid」設立。04年から吉祥寺バウスシアターにて、音楽用のライヴ音響システムを使用しての爆音上映シリーズを企画・上映。08年より始まった「爆音映画祭」は全国的に展開中。著書に『映画は爆音でささやく』(boid)、『映画とロックンロールにおいてアメリカと合衆国はいかに闘ったか』(青土社)、編書に『ロスト・イン・アメリカ』(デジタルハリウッド)、『恐怖の映画史』(黒沢清、篠崎誠著/青土社)など。